B.LEAGUEを初観戦した結果、思わぬことになった。

2018年4月29日

B.LEAGUEを初観戦した結果、思わぬことになった。

 

バスケは好きだが、興味の中心は漫画の世界で「スラムダンク」「あひるの空」を読むことだった。そんな中、とあるバスケファンからこう言われた。

『日本にプロバスケが開幕したのに、見ないのはどうにかしている』

 

とは言われていないし、そもそも周りにB.LEAGUEを見ていた人もいなかった(笑)。

 

この記事は、かの有名な中村慎太郎さんの「Jリーグを観戦した結果、思わぬことになった」と、私が千葉ジェッツ通信を始めるきっかけとなった、ジェフ千葉応援サイトinuunitedさんの「サッカー日本代表を初観戦した結果、思わぬことになった」のオマージュ記事となります。このおふたりの記事が素晴らしく感銘を受けたので同じスタイルで記事を書かせて頂き(もちろん記事の内容は違いますが)、少しでもB.LEAGUEファンを増やせたらいいな、と思いアップさせて頂いた次第です。B.LEAGUE初心者向けの少し長い記事になりますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

 

 

きっかけ

 

もともとバスケには興味があった。とは言ってもそれは漫画の世界であって、まずはスラムダンクにずっぽりハマった。ろくにルールも知らなかったしそれこそポジションの名前すら分からなかった。それでもスラムダンクはボクにバスケへの興味をかき立ててくれて、赤木はゴール下を守る人、流川はシュートを決める人、三井はスリーポイントを沈める人、宮城はゲームメイクをする人、そして桜木はリバウンドを取る人だと言う事くらいは分かった。そして時は10年以上過ぎて、今度はあひるの空がボクの前に現れた。スラムダンクとは全く違うテイストの漫画だったが、スラムダンクとは違ったシリアスさとコミカルさがボクの心をくすぐり、すぐに虜になってしまった(いまだに、あひるの空だけは最新号を買っている)。ただ、スラムダンクにハマった際も、あひるの空に心を奪われた際も日本に「プロリーグ」は存在せずに、ボクのバスケへの興味が外に出る事はなかったし、情報社会となってからも自分からバスケ関連のニュースを探しには行かなかった。

 

しかし2016年。ボクの周辺が急に騒がしくなった。ニュースでは川淵さんの名前を見かけるようになり、そのそばには「日本バスケ、プロ化」の文字があった。どうやらその頃、日本のバスケ界は2リーグに分裂しており、それを良しとしない世界バスケ協会が男女問わず日本代表に対して制裁措置を採り、世界大会に出場できない危機に見舞われていたようなのだ。そして、それを救ったのが川淵さんだった。

もともと漫画のバスケの世界には興味があったのでボクの心は少しだけ揺れた。しかし、それまでbjリーグもNBLも一切見た事もなく、日本のバスケ界が置かれている状況・知識が全くないボクはやはり傍観者に過ぎなかった。バスケには興味があったがアリーナに足を運ぶまではしない距離感が続いた。

 

まずその状況を変えてくれたのがソフトバンクが提供しているスポナビライブだ。もともとサッカーが好きだったので、スポナビライブが提供している「ソフトバンクユーザーは海外サッカー見放題で500円(当時)」に加入した。するとスポナビライブはサッカーだけではなく、そこにB.LEAGUEを始めとする他のスポーツも定額で提供している事に気付いた。そして、それを機にB.LEAGUEにボクが住む「千葉を本拠地とするチームが存在する」事を知る事になり、時間があれば10分、20分でも千葉ジェッツの試合をスポナビで見るようになった。ただ、それでも選手名を覚える事はないし、1試合まるまる見る事もなかった。あくまで時間つぶしの一環だった。

 

そして最大の転機は4月中旬に訪れた。次女が通っていた小学校でポートアリーナで開催される千葉ジェッツ対仙台89ERSの割引チラシを配布しており、それを持って帰ってきたのだ。ただ、そのチラシを手にしてもボクはすぐに「見に行こう」とは思わなかった。週末の貴重な時間をバスケに費やすべきかどうかを考えていた。最後の最後まで悩んでいたのだが、それを見た次女が「悩むくらいなら行ってくればいいじゃん」と言ってくれ、そこでやっと土曜日のチケットを取ったが、それも前日の金曜日の決断だった。

 

 

そして、そこからボクの千葉ジェッツブースターとしての人生が始まる事になった。

 

 

 

初観戦@ポートアリーナ

 

ひとりだった。

決して友達がいないわけじゃなく、周りにB.LEAGUEに関心を持っている人がいなかったからだ(笑)

 

でも、ポートアリーナにはたくさんの赤いシャツをまとった人たちがいて、試合前からキャッキャキャッキャと楽しそうにはしゃいでいた。左隣に2家族が応援に来ていて、お母さんと子供たちの合計6人がひとりぼっちのボクを尻目にとても楽しそうに応援していたのを今でも覚えている。

 

 

2017年4月22日(土) 仙台89ERS戦がボクの記念すべきB.LEAGUE初観戦となったが、試合は開始から千葉ジェッツのペースで進み、緊迫する時間帯もなく96対53で千葉ジェッツが圧勝した。その時期もスポナビで千葉ジェッツの試合は見ていたものの、選手名もルールもロクに知らず、正直に言えば千葉ジェッツにも思い入れがなかったので純粋にバスケと言うスポーツを見に行っただけだったのだが、要所要所に目を見張るプレーはあったものの、そこに熱狂や興奮と言った文字のプレーや雰囲気はほとんど見つけることができなかった。「これがバスケなのか。ダンクとかは生で見ると凄いな」と帰り際になんとなく思っていたのは覚えているが、「また見に行きたい」とも思わなかったのも覚えている。いわゆる「記念観戦」になる試合だった。

 

 

 

2回目の観戦@ポートアリーナ

 

しかし神様と言うか次女様はまたもボクに選択の機会を与えてきた。またまた小学校で配られたチラシ(5月3日 vs 秋田)を持って帰ってきたのだ。今度は前回以上に悩んだ。1回観戦したことによりボクの中で「ものさし」が出来て、自分の貴重な休みの日をバスケに費やすか、とリアルに測ることが出来てしまったからだ。そして今回も悩みに悩んだが(笑)、ココロの中で「これが最後」と決めてまた前日にチケットを押えた。そして何が「最後」かというと、「もし今回の観戦で期待値以上のものが得られなければ、2度と観戦に行くのは止めよう」と決意した上でチケットを購入したのだ。

 

 

今回も当然の事ながらひとりだった。

でも、前回の経験があったのでなんとなく楽しみ方も分かっていたし、「背番号2の選手が凄いからチェックしておかなきゃ」と言う予備知識もついていた。あとは選手名鑑を兼ねている無料で配布されるパンフレットのような冊子をふりふりするのが応援の定番なのかな、と言う事も認識していた。

 

前回の対戦相手である仙台89ERSが降格争いをしているチームだったと言う事は観戦後に知ったのだが、今回対戦する秋田ノーザンハピネッツも同じような立ち位置のチームである事は、事前に調査していたので知っていた。それだけに「今回も一方的な展開になるだろうな」と言うイメージを基にポートアリーナに軽い気持ちで向かった。しかし、この試合はボクの予想を大きく裏切り接戦になり、取っては取られて、取られては取ってのシーソーゲームになった。片や優勝争いを演じるチームで片や降格争いをしているチーム。バスケを知らないボクからしてみれば全く予想していない試合展開になったが、振返ってみればこれこそがバスケの面白さだとも気付いた。

 

試合内容はあまり覚えていないが、とにかく接戦だった。いつの間にかボクも周りにいる赤シャツの方たちとゴールが入った入らないで一喜一憂するようになり、スリーポイントが入れば両手を上げて喜んでいた事を鮮明に覚えている。しつこいようだがとにかく熱戦だった。

 

 

そして73対73で迎えた第4クォーター9分17秒。

 

 

試合時間わずか43秒を残して、その時は訪れた……。

 

 

 

 

B.LEAGUEの楽しみ方~プレー編

 

やはり見る者の目を奪うド派手なプレーは、バスケの魅力のひとつだ。ダンクシュート、アリウープ、スリーポイント、鋭いドライブ(ドリブル)、そしてディフェンスではあるがブロックショットと言ったプレーは、例えバスケを知らない人が見ても「おおおぉぉぉ!」と声を挙げてしまう事は間違いないし、ぜひ見てもらいたい。バスケは他のスポーツと比べて圧倒的に得点機会が多く、野球のホームランやサッカーのゴールに比べるとひとつひとつのそれに対しての重要度が低くなってしまうが、単に見る楽しさで言えばバスケのこれらのプレーも引けを取らないと感じている。そして、そう言ったド派手なプレーが一試合を通じて何度も見れるのだから、バスケが見ていて楽しくないはずはない。

 

 

 

B.LEAGUEの楽しみ方~応援編

 

千葉ジェッツの応援はいたってシンプルだ。攻撃の時はひたすら「ゴー・ジェッツ!」と叫び、守備の時は「ディーフェンス」と大声を出す。これまでプロ野球やJリーグの試合に何度も足を運んだことがあるので、最初はこの応援スタイルにもの足りなさを感じたのも事実だし、今でももう少しだけバリエーションを増やした方が応援する楽しさが増すのではないか、とも思っている。しかし、このシンプルさはイコール「誰でも楽しめる」に繋がってきており、私がそうだったように、B.LEAGUE初観戦の方でもすぐに応援に加わる事ができる。

今シーズン、千葉ジェッツはチームが先導しない「無音」の応援にチャレンジしてみたが(ブースターからの自発的な応援を促す)、これは事前の告知不足などが影響して失敗に終わった。ただ、実際に各チームで応援のスタイルがあるので、これに関しては諦めずに千葉ジェッツの応援スタイルを追求して欲しいと思っている。

 

 

 

B.LEAGUEの楽しみ方~ルール編

 

バスケのルールは突き詰めればややこしいが(笑)、実際には単純に楽しむだけであればルールがシンプルなスポーツのひとつだと感じている。実際にボクもB.LEAGUEを見始めた当初は知らないルールがたくさんあったが、観戦をする上ではまったく困らなかったし、いまだに知らないルールも多い。例を挙げるとすれば、この冬にオリンピックで盛り上がったカーリングと言うスポーツも同じではないかと考えている。ストーンをカコーンカコーンと弾き出すスポーツだと言う事は見た方は分かると思うが、それこそ細かいルールを知っている人はほんの一握りではないだろうか。それでも見ている分には楽しい。バスケも同じで、とにかくボールをリングに入れる。そして相手には入れさせないように守る。その中に「何秒ルール」や「ゴールテンディング」などのルールがあるが、それを知らなくても十分以上に楽しめる。B.LEAGUEを見始めてまだ1年のボクが言うんだから間違いないと思う。

 

 

 

B.LEAGUEの楽しみ方~アリーナ編

B.LEAGUEの各会場は5000人も入ればほぼ大入り状態であり、他の競技と比べてもおおよそ10分の1から2分の1程度のキャパシティである(例/フクダ電子アリーナ:約2千人、千葉マリンスタジアム:約3万人)。その5000人を少ないと見るか多いと見るかだが、わたしは「心地よい」と感じている。選手の会話も聞こえるし、小さいからこそ熱気や臨場感をダイレクトに感じられる。そして何よりも自分が試合に関わっている一体感が半端ないのだ。中でも千葉ジェッツのホームアリーナである船橋アリーナは特別だ。満員のブースターが醸し出す情熱の赤一色の光景は、まさに圧巻でありアウェイチームを飲み込む。そして、冒頭の動画にもある通り、試合開始前に見せてくれるプロジェクションマッピングがブースターのテンションを一気に高くさせる。

 

また、B.LEAGUEの試合に行くと「ヤジの少なさ」にも気づく。よほど明らさまに手を抜いたプレーでもしない限り、ブースターは選手とチームを後押しし続ける。ただし、その中にあって相手チームのフリースローの際に浴びせるブーイングは実に興味深い。フリースローに入るタイミングでオーロラビジョンにブーイングを煽る動画が出てくる事からも、チーム公認である事は分かるし、比較的「ファンが優しい」と言われているB.LEAGUEにおいて特異な行為であるが、決して悪意は感じられず、それ自体をブースターも純粋に楽しんでいる。このブーイングがあるからこそ、全体のバランスが取れているのかもしれないし、B.LEAGUEを楽しむ上での欠かせない要素のひとつ担っている事は間違いない。

 

 

 

残り43秒@ポートアリーナ

 

いまでも忘れる事ができない。

2階席で観戦しているボクから見て右斜め前、スリーポイントラインの少し後方で待ち構えていた富樫にボールが渡った。

 

残り43秒。

 

会場の熱気と期待をよそに、そしてシーソーゲームの試合展開もよそに、富樫はいとも簡単にシュートを放ち、いとも簡単にゴールを決めてしまった。

 

その瞬間、ボクは席から歓喜の声を挙げながら立ち上がり、両腕を挙げてガッツポーズを繰り返した。

 

 

そしてボクは千葉ジェッツブースターになった。

 

 

 

帰り道

一人で電車を乗り継いで帰っている中、なんどもなんども富樫のスリーポイントを思い出した。いや、思い出したのではなくあの光景が頭から離れなかったのだ。

 

 

千葉ジェッツの試合をまた見たい。

 

そう思いすぐにスマートフォンで次の試合を調べたが、シーズン終盤と言う事もあって見に行ける試合がない事が分かった。ただ、それでもスポナビで試合を追い続け、栃木ブレックスにCSで屈辱の連敗を喫する所まで見届けた。そして、その時にはすでに「悔しい」と言う思いを持つようになってきていた。

 

2017-18シーズンは開幕戦から千葉ジェッツを追い続け、選手名もルールも覚えて一年前と比べると何倍もバスケを楽しめるようになってきた。この一年で多くの試合を観戦し、多くの事を覚えて、ボク自身もやっと「初心者」と口にすることをやめるようになった。ただ、振り返ってみると「初心者」と言っていたのは自分への言い訳であって、バスケは未経験者でも非常に入りやすいスポーツであるし、単に「バスケを愛しチームを後押しする」、それだけでいいのではないかと言う事に気付いた。だから、B.LEAGUEのファンを「初心者」や「古参」と言った区別をする必要はないのではないかと思っている。それくらい、バスケは誰にとっても魅力的に映るであろうスポーツなのだ。

 

B.LEAGUEを見始めてからちょうど一年が経過し、ボクの中でも一区切りがついた感じがしたのでこの記事を書いてみたが、改めてB.LEAGUEの魅力に気づいた。そして、この記事を読んで少しでもB.LEAGUEに興味を持っていただいた方がいれば、まずは近くのアリーナに足を運んで実際に試合を観戦してみてもらいたい。運が悪ければスーパープレイを幾つか見れる程度で終わるが、運が良ければあなたの人生を彩る、新たな何かと出会う事ができるかもしれない。ボクが一年前にそうだったように……。

 

 

まだまだボクはバスケを語れるレベルではないけれど、千葉ジェッツの試合がどれだけ楽しいかは伝える事ができるし、いまも方々でその活動は続けている。そして同じような個人レベルの活動・行動が全国で津々浦々と起こり、いつかB.LEAGUEが日本を代表するプロスポーツに成長する事を願っているし、できれば、ボクが生きているうちにそうなって欲しい。その願いを込めながら、今後も千葉ジェッツに想いを送り続ける事だろう。

 

 

結論

 

B.LEAGUEを初観戦した結果、千葉ジェッツが大好きになった。